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職場で問題となる軽症発達障害(軽症自閉症スペクトラム障害)について

自閉スペクトラム症とは?

自閉症は古くからある小児の精神疾患名です。これまで自閉症と診断されてきた人達は、言語発達に著しい遅れがあり、人と関わりを持とうとしない、特定のことに強いこだわりを示す、変化を嫌い反復的行動を繰り返す。などの普通の人とは異なるはっきりとした特徴がありました。しかし、その後の研究で、言語発達に遅れがなく、人との関わりはむしろ積極的な(過剰で一方的、同じ趣味の人だけとかかわるなどの不適切さは認めます)人達の中に、自閉症と極めて似通った行動的特徴を持ち(程度の差はあるが、特定のことに強いこだわりを示す、変化を嫌う、感覚過敏を認める)人達がいることが明らかになりアスペルガー症候群と呼ばれるようになりました。さらに、その後の研究で、アスペルガー症候群は、多くの点で自閉症と共通の特徴を持ち別々の障害として区別することが困難であり、脳の画像研究からも一連(スペクトラム)の障害と考えられるようになりました。今日(米国の最新の診断基準)では、従来の自閉症とスペルガー症候群を合わせて自閉症スペクトラム症と呼ぶようになりました。職場で問題となるのは、軽症の自閉症スペクトラム症(アスペルガー症候群)と診断されるような、あるいは正常と自閉症スペクトラム症との中間に位置するような人達です。

職場で問題となる軽症発達障害(軽症自閉症スペクトラム障害)について

自閉症スペクトラム障害は、発達の障害であるため、普通、障害は幼児期から児童期の発達段階において明らかになってきます(発達の経過中に明らかになる)。しかし、ごく軽症の発達障害の場合には、この時期に見逃されることも多く。思春期にあるいは、(大学生活では、比較的自由な振る舞いが許されるため)大卒後社会人になってから適応障害などの二次障害を呈して精神科を受診することが少なくありません。つまり、自閉症スペクトラムとしては軽症であっても、ストレスに対する脆弱性があり(ストレスに弱く)、普通の人ならば耐えられるストレスで抑うつ、パニックなどの症状が出現してしまいます。

  1. 叱責に対する過剰な反応;仕事上の叱責に対して過剰反応し(通常範囲の叱責をものすごい激怒、圧迫と感じる)、落ち込んでしまいます。上司を避けるようになり、ますます上司とのコミュニケーションがなくなり仕事上問題が生じると言う悪循環に陥ることもあります。基本にあるのは責められることに対する過敏さと考えられます。
  2. 冗談がわからない;悪意のない冗談、からかいに対しても過剰に受け止めて怒ることもあります。冗談と本気、からかいと敵意などの微妙な違いをコミュニケーションの中から読み取ることが苦手なため、周囲からいじめを受けていると感じてしまいます。
  3. 異性との問題;異性に親切にされると相手が自分を好きだと勘違いしてしまうこともあります。親切、好意、愛情などの微妙な違いをコミュニケーションの中から読み取ることが苦手なため、「好きなそぶりを見せたくせに、後になって冷たくされた」と怒り出すこともあります。職場でこうしたことが起きた場合には、対応しなければなりません。
  4. こだわり、仕事の適正;自閉症スペクトラム障害の人達は、特定のことに強いこだわりを示します。そうした特性が仕事上有利に働くことも珍しくありません。数字に強いこだわりを示す人は経理や会計業務といった、正確さが求められる業務で評価されると思います、だだし、人事異動で営業に転属されるとたちどころに適応不全に陥るかもしれません。自閉症スペクトラム障害の人達の能力の高さと偏りの両方を理解することが重要です。

治療

自閉症スペクトラム症の基本的な症状(たとえば他人の気持ちを理解できない)を改善するような治療法はありません。したがって、治療法は、まず軽症の自閉症スペクトラム症(アスペルガー症候群)の人が抱えている生活の不自由さを理解することから始まります。適応障害が起きている場合には自閉症スペクトラム症の行動特性を考慮した環境調整が必要です。不眠や不安が強い場合には一時的に薬物療法をすることもあります。また、うつ状態が強い時はうつ病の治療が必要になります。

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